エコプロ2018訪問記(担当 廣谷)

 今回は、お出掛け企画として、エコプロ2018に行ってきました。

「エコプロ」とは、「エコプロダクツ展」として1999年から東京ビックサイトで開催されている環境配慮型製品・サービスに関する一般向け展示会です。(2016年からエコプロに名称変更)

 建築分野にも環境配慮が求められていて、日々新しい技術や製品が出てきます。新しい物がいいとは思いませんが、世の中にどんな考え方や技術、製品があるのかを知るのは大切なことです。今回は、環境・エコ・サスティナブルといったキーワードで情報収集に来ました。

 

 たくさんあるブースの中で、私たちが興味をもったのは、木を使った家づくりをしていることもあって、やはり木に関わる展示でした。「エコ」「サスティナブル」といったテーマでは、日本の森林資源をどう使っていくのか、、、というのは重要です。大手事務家具メーカーの「オカムラ」では、日本の木を家具に活用するプロジェクトを紹介していました。

 

 その1つが、早稲田大学・古谷誠章研究室との木育家具研究です。学生さんがデザインした子ども用の家具は、大きさが子どもサイズであるだけでなく、学校等での様々な活動に対応できるように、伸縮したり、繋げるたりすることで多様な形に展開できるようになっていました。学生時代にこのようなプロジェクトに関われるなんて羨ましいかぎりです。

 商品化には安全面でのハードルがあるようですが、学校施設に、日本の木でできた家具を使うのはとても意味があることだと思います。

 

 

 このブースで印象的だったのは、オフィス用の上下昇降机に日本の針葉樹を使った試作品。見た目は確かに木なのですが、塗装がしっかり施されていて、触った感じがツルツルしていました。表面を触りながら、「木じゃないみたいだね」と話していたら、プロジェクトの担当者の方が声をかけて下さいました。エアコンで暖冷房を行なう乾燥したオフィス空間で無垢材を使うためには、第一に変形対策が必要とのこと。乾燥させるだけでは不十分で、天板の裏側にも鉄骨で補強してありました。

 また、不特定多数の人が使うオフィスでは、木の柔らさや平滑でない質感が好きでない人もいる(むしろその方が多い!?)こと、加えて水シミ、搬入時の傷がクレームになる等のことを考えると、これくらいの丈夫で硬くなる塗装処理が必要とのことでした。確かになぁ、、、と思いつつ、木らしさが失われて残念な印象も抱きました。

 

 「木」は自然のものなので、色の違い、反り・割れ・傷・へこみ等がつきものです。私たちはそれらを材料の魅力(もちろん限度はありますが・・・)と捉えています。そして私たちが設計するような、オーダーメイドで時間をかけた家づくりの場合は、お客さんと情報を共有し、納得してもらいながら取り入れていくことが可能です。一方で、不特定多数を対象とした商品として世に出すためには、このようなアプローチにならざるを得ないのだろうね、、といった話をしつつ、ブースを後にしながら、いやいや、そこをブレイクスルーするような技術もあるでしょう・・・といったおしゃべりにも発展しました。

 

 次に向かったのは、ウッドデザイン賞の受賞作品展示コーナー。ウッドデザイン賞は、「戦後造成した人工林が本格的な利用期を迎えており、適正な森林整備を進めていくためには、国産材の積極的な利用を促進していくことが重要であるという背景のもと、木の良さや価値を再発見させる製品や取組について、特に優れたものを消費者目線で評価し、表彰する新しい顕彰制度」だそうで、面白い作品や商品が展示されていました。

 

 いくつか私たちの中で話題になったものを紹介します。

 

木響さんのホームページより転載
木響さんのホームページより転載

「ループスツール」木響(宮城)

 

ありそうでなかったちょっとした工夫で、丸椅子が面白い形に展開します。かわいくて、座りやすいと私たちの中で好評でした。

ナイス(株)のホームページより転載
ナイス(株)のホームページより転載

表層圧密Gywood ナイス(株)

 スギやヒノキ、アカマツなどの表面の軟らかい針葉樹の表層部を特に高密度化することで、素材としての硬さや強度を向上させ、さらに一般的な無垢材と比べて形状安定性を高めることに成功した「無垢の新素材」とのこと。

 この技術を使えば、無垢材の手触り・質感を残しながら、傷がつきやすい、変形するといった弱点をカバーできそうです。

 先に見た、上下昇降机にも、この材を使えばいいのでは!といった妄想?製品開発話にもなりました。日本の木の活用を推進するには、不特定多数の人が使う物にも展開していくことが絶対に必要と考えると、可能性を感じる技術でした。

 

 その他、エコとは関係ないかもしませんが、興味深かったことをいくつかご紹介。

 

 ガスの調理器具等でお世話になっている「リンナイ」では、最新式の給湯システムを展示していました。こういったものは、設備として目にするのは大きな箱が2つ。素人には、箱の中に何が入っていて、どんな役割があるのか、外から見ただけではなかなか分かりませんが、ここではプロジェクションマッピングの技術を使って、実物に説明図を投影した展示をしていました。

 

 とても分かりやすいし、おそらく展示物を作る手間も少ないと思います。展示の仕方も時代によって変化しているのだなぁと興味深く見学してきました。

 

 最後に、時代を感じた個人的な出来事を1つ。それは子どもが多かった!こと。

 

 平日の金曜日ということもあり、小学生から中学生、高校生などが学校単位で勉強に来ていました。環境学習の一環として、興味のある企業ブースを見学し、資料を貰ったりクイズ等に答えながら環境について学んでいるようです。子どものころから「環境」をテーマにした学習への取り組みがこんなに普及していることに、個人的に感慨深いものがありました。

 その一方で、超有名企業に出来たディズニーランド並みの子どもたちの長蛇の列を見ながら、面白いもの、まだ見ぬ情報は会場内のもっと別の所にも色々あるのになぁと思ったりもしました。

 

 そんな中、子どもたちが学習成果を発表しにきている小学校もありました。自分たちで調べたことを紙芝居にまとめ、道行く人に声をかけて足を止めてもらいながら、発表していました。私たちは学校で育てた緑のカーテンの涼しさの効果を教えてもらい、皆さんも育てて下さい!とヘチマの種を頂きました。

 知らない人に伝えるというのは勇気がいることでしょう。よく頑張りました!

 

 さくら組でも、このような展示に参加してアイデアを発信してみましょうか!なんて思いにもつながった今回のお出掛け企画でした。

担当 廣谷純子