2017年は、これまで定期的に行なってきた情報交換をこのサイトで発信していくスタイルで活動しています。メンバー5名がワークショップや座談会、勉強会、見学会などテーマと進め方を企画して行なっています。更新は約2か月に1回程度を目標に活動予定です。

どうぞお付き合いくださいませ!

2017年

12月

26日

独立までの零れ話

今回のインタビュアーはウチアトリエ内が担当。メンバーの紹介を兼ねて、学生の時のこと、この道に進むきっかけ、師との出会い、入所までのエピソードなどを聞いてみました。

 

石原朋子 / 一級建築士事務所デザインガレージ

 

文化学院建築科卒業(1988年)、木曽三岳奥村設計所勤務、事務所設立(2004年)

 

石原さんは小学4年生の子供を育てながら設計活動をしています。子供のための地域活動などにも関心を寄せ、空手や合唱など様々な事に取り組んでいます。何事にも好奇心旺盛で活動的な方。最近嬉しかったことは3個のお手玉を同時に投げられるようになった事とのこと。

 

内:学生の時の事を教えてください。

石:私の場合はすごく特殊なキャリアで高校が都立代々木高校。当時全国で唯一午前・午後・夜間の三部制を取り入れてた、元々は看護師や警察官など三交代勤務で働く人のためにできた都立高校(※その後統廃合されて現在は世田谷泉高校)で、好きなことをやりたかったし自由な時間が欲しくてそこに行ったのね。色んな人がいて年齢も色々で、そこでいろんな人生のバリエーションを見た。

 

内:高校卒業後は?

石:卒業後も「好きなことやりたい」と母に言ったら「文化学院っていう学校がある」と。聞いてみたらそこも面白そうな学校で、建築・演劇・美術・文学・仏英文などの科があってどれにしようかなと。子供の時から工作が好きだったから建築かなと思って。授業はすごく面白かった。伝統的に専任の先生が少なくてあとは全員非常勤、その布陣がゴージャスで他の科のいろんな授業を聴講できた。野村万作さんとか長岡輝子さんとか、その授業が本当に楽しくて。

 

内:専門学校を卒業した後は?

石:卒業したら旅に出ようと思ってて。「兼高かおる世界の旅」というテレビ番組があったの知ってる? 女性が世界中を旅した番組があったんですよ。こういう人になりたいって思った。だから就職する気もなくて旅に出ようと思っていたけど、奥村事務所(木曾三岳奥村設計所)に拾われて。

 

内:奥村さんとの出会いのきっかけは?

石:’86年に両親が東京を引き払って外房に移住した後、たまたま母の東京での親友が近くに来て家を建てることになって。「ちょっとおもしろい人に設計を頼もうと思ってるからあなたも会ってみない?」って。それが奥村まことさん。

 

皆:えーっ、うそー!!!

 

石:会って見たら、まことさんが、初対面でいきなり「図面描きから現場まで全部一人でやってみたら」と。私が学生4年の秋。まずはバイクで旅に出ようと思っていたけど、設計料全部くれるっていうし、じゃあそれをもらってから旅に出ようと思った。

 

内:入所の経緯は?

石:奥村まことさんに10枚図面を渡されてこれと同じように描けって。それで設計にとりかかったわけだけど、当然4年の秋から始めて卒業設計も卒論もあって、卒業までに現場が終わるわけない。卒業したら仕送りが止まるし困ったな…となって、3月末ギリギリなになって「すみませんけど就職させてもらえませんか?」と切り出したらあっさり「いいよ」と。ちょうど奥村(昭雄)さんが芸大を退官して1年目、OMソーラー協会が出来て、広島の病院も残務のみで事務所に誰もいないときだった。それまでは芸大奥村研の人たちも事務所に出入りしてわーっとやっていたけど、解散してたまたま事務所に誰も居ない時期、一人ぐらいいいだろうと思ったんでしょうね。肝心の設計は何も知らないからもー大変で、とにかく必死でやって、結局終わる頃には旅に出る話はどこかへ行ってしまって、それから16年お世話になりました。

続きを読む

2017年

9月

18日

住まいの空調

久しぶりの座談会。

今回はそれぞれが設計している住宅の中で取り入れている空調のことについて、みんなで話をしました。

■高気密高断熱の家とOM
ソーラー、薪ストーブ

石原  : 最近建物の断熱や気密性能があがって、エアコン1台でも十分冬暖かくて夏涼しく暮らせるようになってきているので、OMソーラー※を入れない家も増えてきているみたい。

 ※注 : 太陽熱を屋根で集めて床下に送り、基礎で蓄熱し、それが放熱することで家全体を暖める方式のシステム。くわしくはこちら

平間  : 費用がかかるし、メンテナンスも必要だし。屋根にガラスをのせて集熱しているから、住みはじめてから途中でやめることもむずかしいし。

橋垣 : 石原さんと平間さんは、設計する建物にOMソーラーを計画することが多いですか。

: できれば入れたいですね。

: 入れたことも多いけど、最近はほとんど入れる機会がなかった。

: 留守の間の換気機能が魅力的なんだよね。

: 子供がひとりで家に帰ってきた時でも、すでにある程度暖かいっていうのもいい。

: 別荘なんかでは絶対に入れておいた方がいい。

: 高気密の話とOMソーラーの換気の話ってどういう関係なの?

: 高気密にしたら変な感じになっちゃうよね。

 : きちんとやっている人は、寒冷地などではちゃんと連動させて出口をつくっていますね。寒冷地だと深刻だけど、関東以西ではそんなに考えなくてもいいかな。

: 多少ルーズな方がうまくいくかも。。

: 最近の家では断熱性能が高まって、窓の気密性能も高くなることが多いと思うけど、そういう家ではどうしているの?

: どこかをあけて排気がないと入ってこないよね。

廣谷24時間換気の分だけでは足りないの?

: 足りないね。

: 気密性を高めるっていう時には、壁の気密性の話しなのか、壁に(給気や換気の)穴をあけるあけない話なのかを整理して考えないとわからなくなっちゃうけど。

: 何が違うの?

: 壁の気密をちゃんとするっていうのは、壁の中に熱や湿気が入り込まないように気密をちゃんとするということで、それはOMソーラーの家だってなんだって必要なことだよね。今話している気密というのは、家の中の空気をどうやって入れ替えるかという観点で考えた場合、壁や窓の性能が高くなって密閉性が高くなったときに、どうやって外と中をつなぐ穴をどうあけるのかということだよね。

: それを時間でコントロールしなくちゃいけない。OMソーラーをやっていない時には冷気が入ってきて寒いから閉じたい。OMソーラーをやっている時には穴があいてないと効かないという、そこが問題。

: 気密性を高めることと、第3種換気をどうするかという話につながりますね。

: そうですね。

: 進行中の家で、薪ストーブを入れる計画があって、壁や屋根に穴をあける必要があるので、その時に気密を高めることと薪ストーブを入れることがうらはらだなと思って。

: 薪ストーブでFF式※はないの?

 ※注 : 燃焼用空気を室外から送風機の力で強制的に取り入れ、排気は給排気筒を通して室外に出す方式。

: 違うの。上昇気流によるドラフト効果で空気が動くから、給気口を設けて外気を取り入れる必要があるの。

: そうなのか。

: 奥村さんは薪ストーブの下にパイプで外から給気をとっていて、そこは閉じてはいなかった。暖気がそこを通って出て行くというのは考えにくいし。普段薪ストーブを使ってない時は閉じておいてもいいかもしれないね。

そういうのもやったことがあるな、それは暖炉の中につけた。暖炉の中に直結させて、中にダンパーを設けて。

: 薪ストーブをつけた時に、薪ストーブの近くに設けた給気口とは別の(24時間換気用の)給気口から空気が入ってきて寒くなってしまうことがありますよね。

: そうそう、そこで換気扇をまわしたら煙が逆流してきたりとか。

: 給気口の大きさによるんじゃないかな。

: 薪ストーブの近くの給気口から入ってくる空気の量が十分であれば、他のところからひっぱらないとか。

: 気密を高めすぎると他の問題が出てきますね。

: そのあたりを間取りで解決していく提案はないのかな?例えば薪ストーブ室をつくるとか。

: そうもいかないでしょう()

: 高気密高断熱にして、暖炉入れてでも穴をあけてと矛盾だらけの部屋ではなくて、少し気密性の低いルーズな部屋を作っておいて、暖炉の熱だけ利用するとか・・・。

: でも部屋で区切るんじゃなくて、薪ストーブで家全体を暖めたいことが多いかな。

3040坪くらいの家なら薪ストーブ1台で家中暖まるし。

石 : でもよく燃える暖炉は寒いよ。火が見たいけど、必要以上に燃えちゃうと寒いので、うまい具合に燃やすことに奥村さんは腐心してた。

 

続きを読む

2017年

4月

11日

熱環境のワークショップ 断熱と蓄熱 (担当廣谷)

 

 2017年第1回目の活動は、みっつデザイン研究所の廣谷が企画担当でした。

自他ともに認める熱オタク(!)なので、テーマはもちろん熱環境です。

 

専門学校や大学の授業で使用している「箱模型実験キット」をつかって、断熱と蓄熱をテーマにした性能比較実験をしました。

この実験は、3つの異なる素材で出来た箱に、太陽を模した200Wの電球を当て、箱の中の気温(室温)の変化を2分ごとに読み取って折れ線グラフにまとめるというものです。


実験後は、完成させたグラフを見ながら、断熱材・蓄熱材の効果や快適な家の作り方について話をしました。設計の仕事を通して断熱や蓄熱の効果については十分に理解していますが、住まいの熱環境を疑似体験した後は、いつもとは少し違う視点から考え、語ることができました。

以下に当日の活動の様子を簡単に紹介します!

続きを読む