灯りのこと

西原の家/設計:スモールスペース
西原の家/設計:スモールスペース

 

今回の5人のおしゃべり、決めていたわけではないのですが、廣谷家の照明の話から「暮らしの中の灯り」がテーマになりました。

最近の照明器具はLEDの開発が進んで、年どころか数ヶ月単位で新商品が出たり、とても早いスピードで状況が変わっています。金額もだんだん求めやすくなってきましたが、光の色のことや方向性など、まだまだわからないことも多く、照明計画というのはこれからお家を造ろうとしている方や設計者の悩みどころの一つではないでしょうか。

やはり白熱球というものに後ろ髪を引かれるというか、住まいの灯りがこうあってほしいというのは白熱灯の暖かい光なのですが、消費電力が大きい上にメーカーが作るのをやめていく方向。。。

最近は、白熱球・LED・蛍光ランプ(電球色)全てに対応可能な器具などを使ったりしていますが、ダイニングのテーブルを灯す照明だけは白熱の器具にしています。蛍光灯の電球色などもかなり近くなってきたのですがやはり違うので、ここだけは小さな贅沢をします。

白熱灯の光は、炎や夕日の色に近いせいか暖かく感じられ心も落ち着きますよね。

光の色には色温度というものがあります。(下の表参照)この温度が低いほど炎の色に近く、

白熱灯は2800k(ケルビン)です。LEDや蛍光灯は同じ電球色といっても色が違うことがありますので、この色温度を見てなるべく低いものを選ばれると白熱灯に近い色になります。

 

(←スガツネ工業さんHPより)

5人のおしゃべりの中でも話したのですが、以前、私の甥たちが真っ白でまぶしいくらいの照明が煌々とついた家電量販店に入ったとたんに「わ~っ」と走りだしたのを見たことがあります。白く明るい光は昼間の日光に近いために人が活動的になるのです。用途によってはクールで清潔感も出るし、何か読んだり見たり色を判別したいときなどには白い光が向いているでしょう。そういう光は住宅の中ではデスクライトや洗面台、キッチンの手元灯など一部に使うのがいい、と思っています。最近は照明メーカーのカタログやプランニングを見ても、以前のように天井の真ん中に大きな丸い蛍光灯の器具をつけて隅々明るく、ということはしない方向になってきたようですね。白い光で隅々まで均一に明るく、というのは昼間に近い空間を作ることになります。それも場合によってはよいのかもしれませんが、やはり夜は夜の落ち着きや楽しみ方があるのではと思います。食卓テーブルのペンダントライト、本を読むソファの横のスタンド、昼間は気にとめていなかった部屋の隅や天井面を照らす灯り、、、場所場所で灯りがつくと、立体的というのか奥行きのある空間を感じられますし、それが暖かく落ち着いた色味の灯りであれば、そのままスムーズに眠りにつながるような気がします。光の色とつける場所を考えるだけでとても雰囲気のある家になると思います。 

宝の家/設計:いろは設計室
宝の家/設計:いろは設計室

そしてその暖かい光は、家の外の街にもおすそ分けできるといいと思っています。

私の住んでいる地域の住宅街は、大きな窓はシャッターや雨戸で閉じられてしまっていて、水周りの面格子の付いた小窓から漏れるのは蛍光灯の白くて寒々しい光、というお宅がとても多くて、夜の道はとっても寂しいのです。

木々の向こうに人の気配のする部屋から漏れる暖かい光や門灯が歩く人や帰ってくる家族を迎えられたら・・・そういう家が増えたら町がとてもきれいになるでしょうね。

最近、クリスマスシーズンになるととても気合の入ったイルミネーションのお宅を見かけることが多くなりましたが、普段も少し意識するだけでとてもよい雰囲気になると思います。

夜は余計なものが見えなくなるので、きれいな部分に光を当てたりするだけでもとっても

                                                                    幻想的な感じになります。

花水木の家/設計:ウチアトリエ
花水木の家/設計:ウチアトリエ

照明器具を付けるというよりも、あかりを灯すというイメージで考えてみるのもいいかもしれません。明るさにメリハリがついて、周囲よりも明るいところに家族が集まるというイメージも悪くないと思います。。

 

 

 

スモールスペース

平間千恵子