自然とともに暮らす住まいを共に考えるために

先日(9月6日)、わたしたちさくら組として初の協働プロジェクトに挑戦しました。

その様子は コチラに、、、。

 

挑戦したのは川崎産業デザイン。

ちょっとしたアイデアを取り入れることで、

使い方の幅が広がる面白くてちょっとかわいい家具の提案をしました。

まだ1次審査中の結果待ちの状況ですので詳細は後日に。

 

ところで、普段わたしたちは一人で仕事をしています。

そんな5人がなぜ集まったか、、というと、ひとつには一人ではできないことがあるからです。

今回始めて5人の協働に挑戦してみて、それぞれの特技や思考が重なり短時間で刺激的な取り組みが実現し、とても可能性を感じました!

 

私はこれまで仕事や市民活動を通して多様なプロジェクトに関わりながら、色んな人と協働する楽しさや価値を実感しつつ、何かいまひとつみんなの力が発揮できていないようなもやもやも感じていました。

そんなときに出会ったのが日本ファシリテーション協会という団体です。

きっかけは、この本たち。

定例会に数回参加しただけですが、毎回とても勉強になっています。

学んだことはたくさんありますが、特に私が大事だと思ったのは「自分が思っている通りには人に伝わっていない!」ということ。

 

自分が思っている通りには人には伝わらない」とは「物事が共有できていない」ということになります。

 

共有できていないければ話し合いになりません、、アイデアを出し合うこともできません。

だからファシリテーションの世界では、「会議の可視化」や相手の話をきちんと聞く「傾聴」などのスキルが大事になってきます。

 

家づくりの場合は、建築の専門家である設計者と建築の専門家ではない住まい手の協働になります。

そんな関係では、とくにこのことを前提にすることがとても大事です。

だからこそ、設計者は空間を住まい手と共有するために模型やパースを制作するのです。

模型やパースがあれば、設計者と住まい手が空間を共有し、話し合ったりアイデアを出し合うことができますよね。

 

設計者がつくる模型は、住まい手との協働を助ける役割があるのです。

 

今回のコンペ案をさくら組5人で考えているときも、模型で試作を始めてからみんなの共有化が進み、アイデアが効果的に重なりあい、みんなで納得するものができたと感じました。

やはり共有化に模型は効果大です。

 

 

でも、、、

模型で表現できないことはどうすればいいでしょうか?

 

みっつデザイン研究所では、空間とともに暑さ寒さといった熱環境もデザインしたいと思っています。

さらに建物を設計するだけでなく、太陽の暖かさや自然の風が活かされた、自然とともに暮らす建物の気持ちよさを多くの人に知ってもらい、そのような住まいを広げたいと思っています。

 

とはいえ、自然とともに暮らす建物の気持ちよさは空間模型では表現できませんし、

口で説明するだけではそれこそ「自分が思っている通りには人には伝わりません」状態になります。

そんな模型や口で表現できないものを共有するために色々な試みをしています。

 

 

これ(左画像)は、トップライトのデザインをするために作成した3Dモデルです。

これは1枚の写真ですが、モデルを動かすことで24時間365日の太陽の動きを反映し、室内にどのくらい直射光が入るかを確認することができます。

 

冬の直射光はとてもありがたいもの、でも夏の直射光は室内を暑くします。夏と冬の快適性を追求するために、どんなトップライトの形、日よけを設ければいいのか、コストと効果を比較しながらお施主さんといっしょに考えました。

 

これは改修物件でしたが、結果的にはこのままの形が一番いいという結論になりました。

そんな何もしないという決断も、いっしょに価値を共有できたからこそ、たどりついた答えだと思っています。

 

 

そのほかにも、設計時だけでなく色々な機会をいただきながら、太陽の暖かさや自然の風を活かした住まいの作り方や、気持ちよさをつたえる講座を担当しています。

最近では、そういった自然を活かした建物を使いこなすためのコンサルティングなども始まりました。

 

 

こどもたちに「空気は熱を伝えにくい」ことを体感してもらう実験。

空気が熱を伝えにくいことが分かれば、複層ガラスの効果、断熱材の意味も理解できます。

これから環境活動を始めたい市民を対象に「夏の放射熱を体感」してもらう実験。表面温度が高いものが回りにあると、もわっと不快な暑さを感じます。この不快感の理由を実感できると、遮熱や緑化に興味がわいてきます。

専門家を対象に「断熱のいい家/悪い家、蓄熱体がある家/ない家で室内環境がどう違うのか」を実験する講座。室内環境の変化を比較実験することで、違いを理解することにつながります。


 

どんな場合も「自分が思っている通りには伝わらない」を前提に、

可視化や体感、模擬実験といった手法を取り入れながら、

自然を活かした住まいの価値を多くの人と共有化することに挑戦していきたいと思っています。

 

2013.1027

廣谷純子 /みっつデザイン研究所