庭のこと、緑のこと

庭・緑について、 みんなの思いや設計スタイルをざっくばらんに話してみました。

・庭は誰がつくるの?

:庭は出来た後にお施主さんが好きなものや植物を植えたりして完成させることが多いかな。

:庭の手入れは住まい手だよね。

:私は家のプランニングをしている時にある程度は考える。樹種までは決めないけれども、この辺りにメインの木があって、この辺りには下草があって、といったような計画までは考えるかな。そこから先は、外構工事(※1)まで予算が回せるようであれば、お施主さんと造園やさんと相談しながら樹種を決めていくかな。予算が少ないときは、メインの木を1本だけ植えて、あとはお施主さんが住みながら作っていくというやり方もするよ。

1 外構(がいこう):庭に木を植えたり、石を積んだり、塀をつくる工事のこと。家の外回りのこと。

 

 

・庭と家の関係はどんなふうに考える?

:リビングの位置とか、大きな開口との関係、あとはアプローチの取り方と関係して考えるかな。

:私は庭の配置で家の配置がきまるところがあるかな。

:もともとあった木を活かすみたいなこと?

:それもあるけど、まっさらの状態であっても、どこに庭を配置して、どんな木をどこに植えて、それをどういうふうに内とつなげるかということを大事にしているから。なので、庭は建物が建ったあとのあまりの土地という意識はなくて、同時に考えていく大事なものだと思ってる。

 

 

・植える木はどうやって決めるの?

:やはり予算に応じてだけど、主木(しゅぼく)や低木、下草の大きさや範囲を決めておいて、後はお施主さんの好みを聞きながら現場で考えていくかな。たとえば、白い花が好きとか実のなる木が好きとか。

:庭を考える際には、細かいところは色々あるけれども、何はともあれ主木を決めるというのは大事なポイントなのかしら?主木っていうのは庭の景色の中心となる樹木ということだね。

みんな:そうだね、、、。うん、主木を決めるね。

:主木の決め方としては、ある程度庭がとれて木がたくさん植えられるときには大きめの落葉樹を選ぶことが多いけど、狭い土地だと木を植えるといっても玄関脇に1本、通路に1本といった感じになってしまう。そうなると、落葉樹では葉のない時期にはすごくさびしい感じになるんだよね、、、。そんな場合は、常緑だけど少し葉がさらさらした感じのものを選んで植えたりするかな。

 

 

・庭に植えるお勧めの木ってありますか?

:庭によく植えるとかではないけど、ハナミズキとか好き。あとは、まだ寒いんだけど春の訪れを予告してくるように咲くコブシとかモクレンとか個人的には好きだけどな~。冬嫌いの春好きだから。

:うーん。私はないというか、決められない。それぞれにいいとことがあるから。

:そうだね~。私も決められないかな、、、。たとえばまちを歩いていて、あ!この木いいなぁ。と思っても、別のところで同じ木を見たら、これ同じ木?って思うくらい違う印象の時があるんだよね。つまり、同じ樹種でも木の形、枝ぶり、これを樹形(じゅけい)って言うんだけど、がすごく違うからね。

:その樹形が違うというのは?

:たとえば、Aという木が好きだからといって注文して植えても、実際にきた木の形がぜんぜん好みに合わないということもあるんだよね。

:へぇーそんなことがあるんだ。

:そんなこともあるから、単純にお勧めの木っていうのは言えないかな。樹種だけの違いではないからね。

みんな:そうだね~。

ジューンベリー
ジューンベリー

:お勧めというかこれまでの実例でいうと、ジューンベリーという木を植えることは多いかな。小さめの木として選ぶことが多かったのだけど、この前の家では主木として植えたの。高さが2.5mくらいあって、大きくて樹形もすごくきれいだったし、何より実のなる木というのは魅力的だよね。

:そうだよね。実がなるということは鳥もくるからね。まあ虫もつきやすいけど、、、。お料理にも使えるしね。

みんな:うんうん!

:今ここにあるのがジューンベリーじゃないかな。このまえお施主さんにもらったの。鳥が来てすぐに食べられちゃうからもらって!と言われたの。

 

いウ:うん、これはジューンベリーだね。ジューンベリーやブルーベリーとか、季節によって花が咲いたり、実がなったりするものが庭にあるのは、自分で食べたり鳥が来たりして楽しいから、お施主さんからは好評だね。

:葉は丸くてかわいらしいし、葉の色も明るくて素敵だね。

ところで、突然だけど、もみじって葉の形がすごくかわいいし、すごいたくさん種類があるよね。京都の庭でたくさん見たよ。

:うん、もみじもいいよね。種類が多いから1軒の家でも大きな葉のものから、小さいものまで数種類植えることがあるよ。紅葉する木もいいよね。

みんな:うんうん!

夏のもみじ@京都大原の寂光院
夏のもみじ@京都大原の寂光院
紅葉したもみじ@京都永観寺
紅葉したもみじ@京都永観寺

エゴの木の花_ウィキメディア・コモンズより
エゴの木の花_ウィキメディア・コモンズより

エゴの木もかわいいよ。花もかわいいし、涼しげだし、大きくなるし、好きだな~。モクレンとかは最後花びらが汚くなるからね。最後までかわいいのが好きかな、、。

 

 

:木や植物はたくさん種類があるから、庭をデザインするには、やはり普段から意識して植物を見ていないとね。前職では、ボスがとても木や植物に詳しい人で、まちを歩きながら季節ごとに色々と教えてもらった。その経験が今に生きていてとても感謝してるかな。この仕事を始める前から好きだったけど、知ることでもっと好きになれた。

 

シラカシ_ウィキペディアより
シラカシ_ウィキペディアより

・生垣って今でも提案できる?木で目隠しって難しくないですか?

:シラカシとか?

:大きい家だとそうかも。この前の家では、造園やさんが落葉樹と常緑樹をバランスよく組み合わせて目隠しにもなるような植栽を提案してくれた。常緑樹はオリーブとか、ギンバイカとか、、。ギンバイカは葉が小さくて、色も濃くてかわいい感じの木だったよ。

:すかすかで目線が通ってしまわない?

:最初は少しすかすかで不安な感じだけど、2年くらい経つと十分目隠しになるくらいに成長するよ。

:最近の家で生垣というのは珍しいのでは?

 

 

常緑樹による目隠し_立川の家_いろは設計室
常緑樹による目隠し_立川の家_いろは設計室

:最初はお施主さんも不安がっていたけど、実物を見たり、木の塀を作る分の予算を木に振り分けると、こんなに豊かな空間ができるのかな、と思ってくれるようになって実現したんです。生垣という感じではなく、目隠しになるような木を植えるという感じ。

みんな:いいなぁ。いい意味で珍しいケースだね。

:最初から生垣がいいという人は多くはないかも。昔ながらの刈り込んだ和風の生垣のイメージしかないからじゃないかな。こんな風にさらっとした生垣なら現代の家とも合うし、ニーズはあるかと思う。

みんな:そうかもしれないね。

 

・ところで、話の中に何回か出てくる造園やさんってどんな仕事をして、どのくらいの予算がかかるものなの?

:基本的には木の値段と、あとは何日、何人で工事をするのかによって決まってくる。プラス経費、それと人によるけれども、プランニング料がかかる場合もある。なので木を10本しか植えない家と50本も植える家では値段がかわってくる。庭の広さによってかなり違ってくるね。また、人によって単価はもちろん違うよね。

:以前かかわった造園やさんは、木は単価が高いから最小限にして、のこりの地面には草花をたくさん植えてくれた人がいた。施主さんがお茶をやる人だったので、茶花をたくさん!草花だとそれこそ単価が数百円からあるから、それで面積の割にはとても安く提案してくれた人がいて、その時に造園やさんって木を植えるだけではないんだ、、と思ったんだ~。

:草花が好きな人っているよね。名もない草が楽しいっていう人がいるよね。

:草花をメインに庭を考えるということはないの?

い:うーん、草花だけでは間が持たないというか、、、。ある程度土地の大きさがあると、やはり木を植えて、その周りに草花を植えると言う感じかな、、。

:順序としては、そうだよね。

:逆に草花は、住みながらお客さんがちょっとずつ植えていくということができるからね。木は高さが23mにもなると、業者さんの手を借りないと植えられないので、やはり最初に考えて工事をしておいた方がいいと思う。

:造園やさんに頼む場合は、どこまで頼むかによって工事費は違ってくるね。木だけを植えてもらう場合と、階段を作ったり、石を置いてもらったりとか、、、。そうなると数百万円かかる場合もあるよね。

:造園やさんは、木を植えるだけでなくて石とかも並べてくれるの!

:頼めばやってくれるし、敷地を見てデザインしたりプランニングしてくれる人もいるよ。

 

・植える木は、畑まで見に行きますか?木を選ぶとは?

:木の畑? 行くと選べるのですか?

:うん、選べるよ。植木だめでね。植木だめは、植木やさんの在庫倉庫のようなものかな。

:どうやって選ぶの?

:やはりそこは造園やさんがプロだよね。さっき話題に出たように、同じハナミズキでも樹形が違うから、どの樹形のものを選ぶかによって庭の印象がすごく変わってくる。プロと普通の人の大きな違いかな。

:そうだね。植木の予算に限りがある場合は費用を抑えるために、現場近くの植木屋さんに協力してもらって、私自身が木を選んで植えてもらうこともあるよ。植栽を削ることは避けたいからね。

みんな:そうだね~。目利料が違うということだね。

:家の工事費にプラスして、庭へも投資できるといいけど、現実的にはなかなか難しいかもしれないね。

:木を植えるだけだとしても、小型のクレーンが来て、土を入れ変えて、ガラを除去してと結構大変な工事になるし、費用もそれなり。だからこそ、せっかく庭にお金を掛けるならば、プロに入ってもらって最善を尽くす方がいいとも考えられるよね。造園やさんにも色々な値段の人もいるし、木の値段も色々だから予算に合わせて考えられるんじゃないかな。

・庭の魅力

:庭は変わっていくことが面白いかな。最初にちゃんと作りこんでも、風土や条件で育たないものもあるし、住まい手の好みで新しいものが加わったり、、。庭は変わるよ。そして、庭は出来たてよりも時間がたってからの方がいいよね。自然な感じになるというか、家となじんでいくというか、、。

みんな:うんうん!


:ずばり、庭のある家の魅力ってなんだろう。


:四季を感じられるということかな。それによって住まいや暮らしはより豊かなものになる。

:今広い庭のある集合住宅に住んでいるけど、ここで花が咲いて、こんどはこっちに、と毎日が楽しいよ~!一度見に来ませんか

:URだっけ?

:うん。URみたいに広い庭とともに住める環境って都内ではなかなか手に入らないから貴重だと思う。

みんな:たしかにね


:この部屋(スモールスペース)も木を身近に感じられて素敵だね。ベランダに木の鉢植えを置くのってめずらしい!これってもう少し育つと立派な生垣!こんなやり方もあるんだね。素敵です。

:ありがとう。ベランダだけでなくて、前の庭にも木を植えていこうかな、、と思ってるんだ。

 

2013年5月23日 @スモールスペース